2001 年 27 巻 5 号 p. 616-623
尿素水溶液噴霧による無触媒還元脱硝法におけるN0還元反応機構の解明を目的として反応動力学的解析を行った.流通管型反応器を用いた実験結果との比較によって,反応の第1段階である尿素分解機構に対する考察を行い,計算モデルの妥当性を示すとともに,感度解析の手法を用いて主要な反応ルートを決定した.その結果,1molの尿素から,NH3 2molを生じる分解モデルに比べ,それぞれ1molずつのNH3およびHNC0を生じる分解モデルの方が,妥当性が高いことが分かった.また,感度解析の手法により,尿素の分解によって生じたNH3が0HラジカルによってNH2となり,NOとの反応によってNNHを経てN2に至る一連の反応ルートを明らかにした.また,N0濃度減少後のNH3およびHNC0の消費反応ルートを明らかにした