2001 年 27 巻 5 号 p. 604-609
都市ごみのサーマルリサイクル技術の1つとして開発されたRDFの基礎的な脱塩特性に関する知見を得るために,実際の廃棄物から作られたRDFと塩素源とその含有率が可変できる模擬RDF単一ペレットを用いて塩素源(ポリ塩化ビニルおよび塩化ナトリウム)の差異による脱塩特性の違いを実験および化学平衡計算により明らかにした.
結果として,RDFの燃焼に伴う塩化水素ガスは,主に,揮発分放出段階で放出する.脱塩特性は,塩素源の差異に依存する.塩素源が有機系塩素の場合,脱塩率は温度に依存し最適脱塩温度が存在する.この理由は,低温域では脱塩速度が塩化水素ガス放出速度より遅くなること,逆に高温域ではチャー燃焼過程中に脱塩反応によって生成した塩化カルシウムが分解してしまうことに依る.一方,塩素源が無機系塩素であるNaClの場合,NaClの融点付近で融解し,ガス状のNaClまたはNa2Cl2として蒸発するので,塩化水素ガスの生成はほとんど無い.