2001 年 27 巻 6 号 p. 696-699
亜鉛めっき中へのチタニア分散粒子の取り込み形態について解析した.チタニア粒子には,50nm粒径の粗大粒子と10nm粒径の微細粒子とが存在する.粗大粒子の(00・1)η〔亜鉛(hcp)結晶の基底面,六角形となる〕上への析出形態には2種類ある.成長途中のマクロスチップに整列する粗大粒子とランダムに分散する粗大粒子とである.マクロスチップに整列した粗大粒子は(00・1)ηの端部でマクロスチップ側壁に取り込まれる.また,ランダムに分散した粗大粒子は,粒子の底部より単原子高さのステップに取り込まれるものと考えられる.一方,微細粒子は(00・1)η上にランダムに分散し,単原子高さのステップにより取り込まれるものと考えられる.さらに,(00・1)η方位像マッピング粒径とSEM像の六角板状面の粒径とが一致した.