化学工学論文集
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[特集] 液相系における構造形成と機能化
超臨界二酸化炭素の急速膨張法を利用したポリマーブレンドによるタンパク質マイクロカプセルの形成
松山 清山内 悟留平原 卓司林 賢一郎服部 沙里三島 健司
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2001 年 27 巻 6 号 p. 707-713

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抄録

2種類の高分子を超臨界二酸化炭素中に溶解し,急速膨張により,タンパク質を内包する2成分ポリマーブレンドマイクロカプセルの形成を行った.タンパク質として,リゾチーム,リパーゼを用い,被覆用高分子として,ポリメチルメタクリレート(PMMA;M.W.=15,000),ポリエチレングリコ-ル(1)EG4000;M.W.=3,500,PEG6000;M.W.=7,500,PEG20000;M.W.=20,000),ポリ乳酸(PLA;M.W.=5,000),ポリラクタイド-グリコライド共重合体(PGLA;M.W.=5,000),ポリエチレングリコール-プロピレングリコールブロック共重合体(PEG-PPG-PEG;M.W.=13,000)を用いた.エタノールなどの助溶媒がポリマーに対して貧溶媒であるので,308.2K~328.2K,8MPa~20MPaの範囲より,タンパク質および高分子を含む超臨界二酸化炭素を大気圧下へ急速に膨張させることで,タンパク質を含む癒着のない平均粒径約数十μmのマイクロカプセルが得られた.マイクロカプセルの形態・構造は,SEM,TEM,EPMA,HPLC,レ-ザー回折式粒度分布測定装置によって解析した.高分子の仕込み組成を調整することで,マイクロカプセルのコーティングポリマー組成ならびに平均粒子径を制御できることが示された.

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© 2001 公益社団法人 化学工学会
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