化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
熱力学,物性,分子シミュレーション
単純せん断流中における強磁性棒状粒子の配向分布に関する研究
――せん断流と磁場が同方向の場合の理論解析面
青島 政之佐藤 明Geoff N. CoverdaleRoy W. Chantrell
著者情報
ジャーナル 認証あり

2001 年 27 巻 6 号 p. 799-805

詳細
抄録

強磁性棒状粒子からなる希釈コロイド分散系の粒子の配向分布とレオロジー特性を,単純せん断流と磁場が同じ方向である場合について検討した.まず,粒子の方向を与える支配方程式を,配向分布関数を用いて導出した.次に,ガラーキン法を用いて支配方程式の近似解を求めた.結果を以下に要約する.磁場が弱い場合,せん断流の影響が顕著なほど粒子は互いに逆向きの2つの方向に配向する確率が大きくなる.磁場の影響が顕著になると粒子の回転は抑制され粘度は急激に大きくなる.せん断流による影響から磁気力による影響へ移行すると,粘度の曲線にオーバーシュートが現れる.これは,粒子配向の磁場方向からの平均的なずれに最大値が存在することに起因するものである.磁場による影響が圧倒的に大きくなると,粒子は磁場方向に漸近するので粘度は一定値に近づく.棒状粒子のアスペクト比が大きいほど流れ場中で大きな抵抗となるのでより大きな粘度増加を示す.

著者関連情報
© 2001 公益社団法人 化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top