化学工学論文集
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触媒,反応,反応器設計
周期操作法による軽質オレフィン合成反応の効率化
大森 隆夫中岩 勝遠藤 明秋谷 鷹二雨宮 隆山口 智彦
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2001 年 27 巻 6 号 p. 812-818

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抄録

固定層触媒反応器を用いて,メタノールから軽質オレフィンを合成する反応系について,目的生成物であるエチレン・プロピレンの収率を向上させ系の効率化を図ることを目的として,反応器壁面温度を軸方向にサイン波状に周期的に設定し,副生成物のペンテン・ブチレンのリサイクルを行う場合の系の挙動についてシミュレーションにより検討した.その結果,周期的温度設定とペンテンのリサイクルにより,壁面温度が一様でリサイクルを行わない場合と比較して,最大でエチレンおよびプロピレンの収率がそれぞれ約33%および約16%増加することがわかった.また,ブチレンのリサイクルを行う場合に,エチレンとプロピレンの生成比を1.60~6.05の範囲で変化させられることが示された.これは,同一の反応器を用いても温度分布の設定とリサイクル比を変えるだけで,必要に応じてエチレンとプロピレンの組成を変えた生産が可能であることを示唆する結果である.

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© 2001 公益社団法人 化学工学会
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