化学工学論文集
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安全,環境,エネルギー
低温作動型AMTECセルの発電性能解析
田中 耕太郎藤井 孝博本多 武夫
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2001 年 27 巻 6 号 p. 819-823

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抄録

アルカリ金属熱電変換(AMTEC)の高温側熱供給温度を900K程度まで低下させる低温作動型セルに関して報告する.外径3mmのβ″アルミナ固体電解質管と内径50μmの毛細管より構成される小型発電素子を作製し,その出力特性を測定した.また交流インピーダンス測定を分極条件下で実施し,内部抵抗成分に関して検討を行った.Mo多孔質電極の電極面積あたりの最大出力密度は900Kにおいて0.13Wcm-2と測定された.これらの測定結果をもとに,複数の素子を近接して容器に収める際に生じるカソード側Na蒸気流れ損失の発電性能に及ぼす影響を解析した.その結果として,容器底面積に対する素子断面積の比が0.4の条件において,容器底面積あたりの出力密度が最大値0.71Wcm-2となることを明らかにした.低温作動化により電極面積あたりの出力密度は低下するが,高性能Mo電極の使用が可能であること,熱源との熱交換特性の向上とセル内の熱損失低減が期待できることを考慮すると現状の高温作動型(1,100K)と比較して低温作動型が十分可能性のある方式となることを明らかにした.

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© 2001 公益社団法人 化学工学会
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