2001 年 27 巻 6 号 p. 786-791
ポリビニルアルコール(PVA)を主成分とし,ホルムアルデヒドで一部を架橋して調製された親水性高分子ゲル(PVA高分子ゲル)は,温度変化に伴って体積が膨潤・収縮する感温型の高分子であることを明らかにした.水中におけるPVA高分子ゲルの体積は,外部溶液の温度の上昇に伴って急激に収縮した.ゲル体積は275K~310Kの温度範囲で最大約35%収縮した.
一方,このPVA高分子ゲルに対する1,2-ジクロロエタンの吸着量は,310K以上で急激に増加することを確認した.温度スイングに対するPVA高分子ゲルの体積変化と1,2-ジクロロエタン吸着量変化はどちらも310K付近を境に可逆的に行われた.