化学工学論文集
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触媒,反応,反応器設計
石炭炭化物のガス化過程における細孔構造の変化挙動
—炭種, 乾留条件, ガス化剤の影響—
森本 達也荒木田 和正亀谷 知彦小田 廣和
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2004 年 30 巻 1 号 p. 47-53

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抄録

石炭炭化物のガス化過程における細孔構造の変化および反応速度との関連性は, 炭種, 乾留条件 (昇温速度, 到達温度など), ガス化剤, 反応温度などに依存するが, これらの因子を系統的に検討した研究例は少ない. 本研究では石炭化度の異なる二種の石炭から様々な乾留条件でチャーを調製し, それぞれのチャーについて, CO2および空気ガス化過程における細孔構造の変化挙動を気体吸着法により追跡した. 反応性の低いチャーほどN2表面積の増加が顕著であった. N2吸着等温線を基に細孔径分布の解析も併せて行った. 空気ガス化ではCO2ガス化よりも細孔の拡大が顕著であった. 軟化溶融性を示す石炭チャーは, 非軟化溶融炭チャーに比べて明確な細孔の拡大·合一を示さなかった. チャーのガス化過程における細孔表面積の変化と反応速度の相関性を検討した. 非軟化溶融炭チャーではCO2ガス化速度, 軟化溶融炭では空気ガス化速度がマイクロ孔表面積と良く対応した. また空気ガス化では, 反応速度がメソ孔表面積とのみ相関性を示すチャーもあった.

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© 2004 公益社団法人 化学工学会
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