2004 年 30 巻 1 号 p. 91-94
ポリビニルアルコール(PVA)水溶液で湿ったガラス微粒子充填層を用いて, マイクロ波乾燥と熱風対流乾燥を交互に繰り返す逐次乾燥実験を行ったところ, 初期含水率が限界含水率以上の試料で, 表面付近以外の含高分子率分布が平坦な乾き試料が得られた. これは, 試料底部ほど含高分子率が低下する熱風対流乾燥法や試料中央部の含高分子率が低下する熱風対流-伝導乾燥法では見られなかった現象であり, 材料内部の蒸発が盛んであるマイクロ波乾燥ならではの結果といえる. これまでにない含高分子率分布を与える乾燥法として逐次乾燥法が有効であることが示唆された.