マイクロチャンネルT字型合流部に形成される二液界面の安定性を可視化実験および数値計算により検討した. 本研究のマイクロチャンネルは合流前後とも幅400μm, 深さ150μmの矩形断面を持つ. 可視化実験においては, Re数が25程度から界面の振動が始まり, Re数が70程度になると界面の壁面近傍で一方の流体が他方の流体に入り込む様子が観察された. 数値計算によれば, 曲がり部における逆圧力勾配領域の長さはRe数に対して単調に増加するが, Re数25前後で増加が緩やかになることが明らかになった. また, その領域近傍の流れにはRe数の増加とともにねじれが生じていくことが明らかとなった. これらの結果より, 左右の縮流領域の3次元的な流動が界面に達して相互に干渉し, 振動が起こるのだと考えられる. さらに, Re数が69以降では, 界面の壁面近傍で3次元的構造を持つ渦が形成された. 実験において観察された流体の入り込む形と, 数値計算において形成される渦の形が良く一致することから, この渦が界面の安定性を阻害する要因であると思われた.