化学工学論文集
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[特集] 粒子 ・ 流体系分離工学の展開
バルキングした余剰活性汚泥の固液分離特性に及ぼす凍結融解処理の影響
川崎 健二松田 晃山下 洋之
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2004 年 30 巻 5 号 p. 587-591

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抄録
下水または排水処理に一般に用いられている活性汚泥処理では曝気槽内の活性汚泥が非常に沈降しにくいバルキング状態になることがあるが, その場合最終沈殿池における固液分離が困難になるため下水または排水の処理を継続できなくなる. また, 一般の下水処理施設から出る余剰活性汚泥は非常に脱水しにくいことが知られているが, 我々はその固液分離特性が凍結融解処理によって顕著に改善されることを明らかにしてきた.
本報においては, グルコースとペプトンを基質として馴致して得たバルキング汚泥と正常な固液分離特性を有する汚泥に凍結融解処理を施して固液分離特性に及ぼす影響を調べ, 下水処理場から採取した下水汚泥との比較も行った. その結果, 凍結融解処理を行うと全ての汚泥の沈降性は改善され, フロックも緻密になることがわかった. また, バルキング汚泥は他の汚泥に比べて濾過しにくいが, 凍結融解処理による濾過特性の改善の程度は他の汚泥と同じであることもわかった.
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© 2004 公益社団法人 化学工学会
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