2005 年 31 巻 1 号 p. 31-34
これまで錠剤の作製条件は,溶解速度を主要な基準の一つとして,溶解試験の繰り返しにより,経験的に決められてきており,製剤の分野においては,その作製条件から溶解速度を予測した研究は未だ行われていない.そこで,本研究では,圧縮成型体の作製条件および1次粒子の性状が溶解速度に与える影響について定量的に検討を行った.その結果,溶解速度は,空隙率の増大,主成分の体積割合の減少,粒子形状指数の増大,比表面積径の減少に伴い増大した.よって,これまで考慮されていなかった形状指数の効果が比表面積径の効果と同程度あるため,これらを考慮した新たな溶解モデルの構築が必要と考えられる.