アミン類を添着したヤシガラ活性炭のアセトアルデヒド吸着性能の劣化について調べた.実験では,添着活性炭を種々の雰囲気で保存し,アセトアルデヒド吸着容量を固定層で保存時間中に数回測定した.2-アミノエタノール,モルホリン,アジピン酸ジヒドラジド,アニリン,p-アニシジン,p-フェネチジン,p-アミノ安息香酸,p-アミノベンゼンスルホン酸およびp-アミノベンゼンスルホン酸アンモニウムの9種類の添着薬剤について調べた結果,空気中で保存した場合の添着活性炭の吸着容量低下は,添着薬剤の化学変化によることがわかった.活性炭表面上の2-アミノエタノールとモルホリンは,それ自身が単独でアセトアルデヒドとの反応性を持たない物質に変化する.一方,芳香族アミンは空気中で酸化されてアセトアルデヒドとの反応性を失う.さらに異なる多孔質担体に2-アミノエタノールとp-アミノベンゼンスルホン酸を添着してアセトアルデヒド除去性能の劣化を測定した.その結果,添着薬剤の劣化反応は,活性炭に添着した場合に起こることが明らかとなり,活性炭が添着薬剤の劣化反応の触媒として作用すると推定される.