化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
環境
減圧条件下での溶融飛灰からの亜鉛,鉛,銅の塩化揮発促進
水野 賀夫中山 勝也河地 貴浩小島 義弘渡辺 藤雄松田 仁樹高田 満
著者情報
ジャーナル 認証あり

2006 年 32 巻 1 号 p. 99-102

詳細
抄録

塩酸含浸処理した溶融飛灰からの塩化亜鉛,塩化鉛,塩化銅の減圧条件下での揮発促進効果について,平均粒径75 µm以下,加熱温度873–1123 K,保持時間1–120 min,圧力範囲101.3–1.3 kPaの条件下で実験的に検討した.
その結果,1.3 kPaにおける塩化亜鉛,塩化鉛および塩化銅の揮発率は,101.3 kPaで得られた結果と比較して約1.5–3.0倍大きくなった.減圧加熱下での各種金属塩化物の揮発率は,加熱温度の増加に伴ってより短時間で増加し,1123 K, 1.3 kPaでは1 min以内でほぼ100%の塩化亜鉛,塩化鉛が揮発した.
各種重金属塩化物は,圧力の低下に伴って揮発率が増加し,塩化亜鉛,塩化銅は,飽和蒸気圧以下に減圧することにより揮発率の増加が認められた.しかしながら塩化鉛は,圧力が塩化鉛の飽和蒸気圧以上でも揮発率の増加が認められ,減圧加熱中の残渣にKPb2Cl5を生成していることが確認された.

著者関連情報
© 2006 公益社団法人 化学工学会
前の記事
feedback
Top