固液撹拌における粒子とインペラの衝突頻度相関式を導出するため,ウェーブレット解析を用いた衝突音判別法に基づく衝突頻度の測定を行い,翼回転数,粒子径および固液密度差などの操作条件と衝突頻度の関係を調べた.その結果,インペラ近傍に来た粒子は,再び槽内に吐出されるまでのきわめて短い時間にインペラと複数回連続して衝突する場合のあることを明らかにした.また,しきい値以上の衝突音圧を示す衝突頻度と操作条件との関係は,しきい値に応じて変化することを確認した.さらに,平羽根タービン翼を用いたときの衝突音圧分布は操作条件によらず対数正規分布になるという実験結果に基づくモデルを構築し,しきい値に応じた衝突頻度相関式を導いた.最後に,しきい値とする衝突音圧と衝突エネルギーの関係を考察し,衝突エネルギーに応じた衝突頻度が予測可能であることを示した.