化学工学論文集
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環境
過酸化水素併用UVオゾン酸化とイオン交換法による汚染地下水の再利用
和田 洋六清水 健弥永 和子黒田 康弘
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2007 年 33 巻 1 号 p. 65-71

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抄録
難分解性有機物,シアン(CN),クロム(Cr3+, Cr6+)およびカルシウム(Ca2+)を含んだ複合汚染地下水の再利用を目的に過酸化水素併用UV(UV: Ultraviolet)オゾン酸化により分解後イオン交換樹脂で脱塩処理した.
水中のCa2+はオゾン化空気中のCO2と作用して水に難溶のCaCO3スケールを析出し,UVランプや反応容器内壁に付着するなど実用上の障害を派生するのでNa2CO3を用いてあらかじめ除去した.
過酸化水素併用UVオゾン酸化では難分解性有機物,CNが分解されCr3+がイオン交換処理可能なCr6+(HCrO4)に酸化された.
イオン交換樹脂処理では電気伝導率20 μS/cm以下の脱塩水が安定して得られ生産工程の用水として再利用できた.
陰イオン交換樹脂に吸着したCr6+は精製してクロム塩類製造原料の一部として再資源化した.これにより複合汚染地下水の再利用とクロムの再資源化を実用化した.
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© 2007 公益社団法人 化学工学会
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