化学工学論文集
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材料工学,界面現象
テトラメトキシシランの加水分解による微粉シリカ合成に及ぼす装置形状とガス混合の影響
小島 紀徳舘 健悟境 純一加藤 茂里川 重夫
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2008 年 34 巻 2 号 p. 261-265

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抄録

高純度微粉シリカは半導体産業などで広く使われている.著者らは,前報でテトラメトキシシラン(TEMS)の気相加水分解でシリカの微粉生成が可能であることを示した.本論文では,装置形状,粒子性状特に粒径に与える影響について調べた結果を報告する.
Type 1–3の3種類の形状の異なる反応器を用いた.Type 1は前報で用いられたものであり,TEMSは水蒸気とともに反応器上部より同方向に流入し,加熱されながら反応する.一方,Type 2および3では,TEMSは装置下方より流入,加熱された水蒸気と混合される.Type 3ではType 2に比べ水の導入管は短く,混合部温度はより高温である.
平均粒子径はType 1, 2, 3の順に小さくなった.この結果から,水蒸気共存下でTEMSを急速に加熱することによってより小さい微粉粒子が生成することが示された.この条件下では異相反応による粒子成長が抑えられ,核生成反応のみが加速されたものと考えられる.このように反応器形状を変えることでガス混合条件を変え,ひいては水蒸気共存下でのTEMSの加熱条件が変わり,生成シリカ粒子の平均粒径が変わったものと考えられる.

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© 2008 公益社団法人 化学工学会
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