化学工学論文集
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移動現象,流体工学
圧力振動脱泡におけるShear-thinning性流体中の気泡近傍流れの可視化
岩田 修一山田 悠介小森 翔悟森 秀樹
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2008 年 34 巻 4 号 p. 417-423

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抄録

圧力振動脱泡法における気泡上昇メカニズムの解明のため,顔料系インクを用いた粒子追跡手法により,圧力振動場に設置された気泡周りの局所流れを実験的に測定した.この測定には,圧力振動の1周期における気泡形状と,気泡近傍に分散された顔料の位置と単位時間当たりの移動距離とが必要であり,得られた速度分布より気泡近傍の速度勾配を実験的に評価することが可能となる.この実験では,振動周波数が市販ビデオのフレーム速度より高いため,膨張・収縮する気泡の観察には,高解像度ビデオカメラとストロボ発光を組合せて使用した.実験結果より,気泡表面の移動速度は,気泡上部より気泡下部の方が大きいことがわかった.これは,セル下部のゴム膜を通じて振動を与えるという実験装置の構造によるものである.気泡側部と気泡下部において,速度分布から実験的に評価された剪断速度は,Iwata et al.(2007)によって報告された気泡径の時系列変化を用いて評価した剪断速度と良好に一致した.

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© 2008 公益社団法人 化学工学会
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