医薬品製造無菌室においてCFD(Computational Fluid Dynamics)モデルでのコンピュータシミュレーションにより,局所空気齢,風速の分布図を作成し,一方で,18箇所の測定点での空中微粒子濃度の測定,1 m角グリッドでの3次元風速計での気流パターンの実測を行い,シミュレーションと実測値を比較した.その結果,高換気回数の無菌室においても標準κ–εモデルでのシミュレーションは,実測の気流パターンによく一致することがわかった.一方,本研究のような低微粒子濃度の無菌室では空中微粒子濃度と局所空気齢との相関は明確でなかった.しかしながら,無菌室内の気流パターンと清浄度回復性能を局所的に理解するうえで,CFDによるシミュレーションは有効であることがわかった.