化学工学論文集
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材料工学,界面現象
超臨界二酸化炭素場の融液晶析による有機板状粒子粉体の開発
今木 卓弥峯 浩二久保 英明佐藤 善之猪股 宏
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2008 年 34 巻 6 号 p. 580-586

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抄録

スフィンゴリピッドE(以下,SLE)は,細胞間脂質の保湿成分セラミドをモデルに合成したセラミド機能物質である.このSLEの融液を超臨界二酸化炭素場で冷却晶析することによりSLEの板状粒子が生成し,さらに大気圧まで減圧することによりSLEの板状粒子粉体が,凝集の抑制された粉体状態で得られることを見出した.また,この際の冷却と減圧条件の操作により,生成板状粒子の粒子径と凝集状態が制御できることがわかった.得られたSLEの板状粒子粉体は感触が良いこと,また有機溶剤を使用しないプロセスで製造された人体への安全性の高い素材であることなどから,保湿効果を有する化粧品原料などへの用途展開が期待できる.

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© 2008 公益社団法人 化学工学会
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