2010 年 36 巻 2 号 p. 136-142
プラントアラームシステムは,オペレータがプラントの異常を早期に検知し,正確に状況を把握するための重要なインタフェースの一つである.本論文では,プラントで想定される異常原因発生後の状態変数の異常伝播を表すCause-Effectモデルから,想定異常を静的には完全に識別することができるアラーム変数の組合せをシステマティックに導出する方法を提案する.また,Cause-Effectモデルの可到達行列から,アラームシステムの適切性やユニーク性を反映したアラーム変数の選好度評価法を提案する.選好度は,階層構造化Cause-Effectモデルにより視覚的に確認でき,複数のアラーム変数の組合せの候補をより詳細に検討するときの優先順位の決定に役立つ.