2010 年 36 巻 2 号 p. 94-104
塩ビ樹脂(poly(vinyl chloride), PVC)製造における最重要の環境対策である,塩ビ樹脂スラリー中の未反応残留モノマーを除去・回収する脱モノマー塔について検討した.環境影響の更なる低減と生産性および塩ビ樹脂の品質(焼け異物の発生防止と樹脂着色性の抑制)の両立を目指して,シーブトレイを用いたカウンターフロー方式の脱モノマー塔を選択し,塔の安定動作条件,脱モノマー性能を評価した.この結果を基に実機のスケールアップを行い,塩ビ樹脂処理量で35 t/hという高効率の脱モノマー塔を設計,稼動させることができた.