2011 年 37 巻 2 号 p. 110-113
レゾルシノール–ホルムアルデヒド(RF)水溶液とシクロヘキサンを原料として超音波乳化法で作製した水中油(O/W)型エマルションを用いて,相互に繋がった多数のマクロ孔(細孔直径 >50 nm)を有するカーボン発泡体を合成した.超音波乳化法は機械的乳化法に比較して液滴径の小さなO/W型エマルションの作製に有利であり,O/Wエマルション中の油滴を鋳型としてサブミクロン–数ミクロンの微細なマクロ孔を形成可能である点で,鋳型法を用いたマクロ孔性材料創製におけるプロセス強化手法であることを示した.また,マクロ孔やマクロ孔の骨格構造の内部に形成されるメソ孔(2 nm < 細孔直径 < 50 nm)の大きさは,RF水溶液のゲル化反応の触媒として使用する炭酸ナトリウムの濃度に依存して変化することを見出した.