2013 年 39 巻 4 号 p. 267-271
293.2 Kの液相領域におけるジメチルエーテル+エタノール系の誘電スペクトルを周波数0.5–8.5 GHzで測定し,静誘電率および誘電緩和時間を調べた.いずれの物性値もジメチルエーテル組成の増加に伴って減少し,その傾向は低ジメチルエーテル組成が低い領域において顕著となる.さらに分子間の配向,相互作用を表す1つの指標であるKirkwoodの有効g-factorを計算したところ,ジメチルエーテルを添加すると,エタノール間に働く引力が水素結合から双極子-双極子相互作用に移行することが示唆された.