本研究では,天然ガスの一種であるメタンガスの大量貯蔵およびバイオマス廃棄物の有効活用を目的に,バイオマス廃棄物を原料とした活性炭の調製を行い,そのメタン貯蔵媒体としての吸着特性を評価した.活性炭の調製は薬品賦活法で行い,竹およびカニ殻を原料とした活性炭を調製した.その結果,竹・カニ殻混合活性炭は比表面積が最大で2,654 m2 g-1となり,市販活性炭の2倍以上高い値が得られた.次いで,その活性炭によるメタンガス吸着を行い,市販活性炭との比較を行った.その結果,3.5 kPa条件下で竹・カニ殻混合活性炭は市販活性炭の約1.5倍と優れたメタン吸着能を示した.メタンガス吸着量と各活性炭の物性との関係を調べた結果,マイクロ孔容積が特にメタンガス吸着に影響をおよぼす因子として重要であることが見出された.