著者らは,円すいの頂角を下にして水に浸し回転させると,液膜流が円すい表面に沿って上昇し,やがてミストとなって周囲に噴霧される現象を見いだし報告を行ってきた.本研究では,そのミスト生成機構を用いて,水系に酸素を効率よく溶解させる方法の開発を行った.水系を撹拌すると酸素の溶解が促進し,溶存酸素濃度が増加することが知られている.本研究では,円すいを回転させることで水系を撹拌させる効果と,ミストの生成により気液界面の面積が増加し,大気中の酸素を吸収し水系に輸送する効果により溶存酸素の溶解量が増大することを明らかにした.さらに円すいの回転数の増加に伴い,流れのパターンが定常流から振動流に遷移することで酸素の移動が促進されることを明らかにしたのでここに報告する.