化学工学論文集
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反応工学
過酸化水素の予熱条件が流通式メタン水熱部分酸化改質反応に与える影響
織田 耕彦 町田 洋堀添 浩俊
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2017 年 43 巻 5 号 p. 342-346

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抄録

メタノールは薬品,燃料,樹脂などを生産するうえでの重要な工業基礎原料であり,一般にメタンの水蒸気改質で得られるCOとH2を触媒下で反応させることで合成する.しかし,このプロセスはエネルギー消費量が多く,直接合成法などの開発が望まれている.そこで,本研究ではメタンからのメタノール直接合成を目的として,H2O2を用いたメタンの流通式水熱部分酸化試験を行い,H2O2の予熱を予熱無,予熱有(120°C, 270°C以上)と,反応温度100–350°Cをパラメーターとして試験を実施した.その結果,反応温度350°C, 滞留時間31 s, H2O2予熱無では予熱270°C以上に比べメタン転化率が大幅に増大し,その結果メタノール収率も増加し類似研究より高い値を示した.H2O2の予熱無では,予熱段階でのH2O2の熱分解がなく,急速昇温によって強力な酸化剤である·OHの発生が反応場で起こり,メタン転化率が増大したと推察される.一方,H2O2の予熱270°C以上では反応管へ達する前にH2O2がすべてO2に分解したと推察された.

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© 2017 公益社団法人化学工学会
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