本研究では,超臨界二酸化炭素(CO2)を用いたテンプレート剤抽出法(超臨界CO2法)によってメソポーラスシリカMCM-41およびSBA-15を作製した.超臨界CO2法を用いた場合,MCM-41においてテンプレート剤の抽出率は97.8%に達し,従来法である焼成法と比べ高比表面積,高細孔容積,均一細孔径を持つメソポーラスシリカが得られた.SBA-15に関しては,超臨界CO2法によるテンプレート抽出率が88%に留まったが,焼成法と比較して細孔径分布の均一性を維持する点で超臨界CO2法が優れていた.さらに,超臨界CO2法におけるテンプレート剤抽出率の圧力依存性を調査した結果,抽出率が8 MPaから10 MPa付近で極大を示すことが明らかとなり,これはCO2とメタノール系の気液平衡関係の観点から解釈可能であった.以上の結果より,超臨界CO2法は細孔構造の維持および高性能なメソポーラスシリカMCM-41およびSBA-15の作製において,従来法と比べて有効な手法であることが示唆された.