多成分系の計算に行列論を應用して,濃度を1次変換して,任意還流比の場合を全還流の場合の計算と同一に直し,Fenskeの公式が適用できるようにして,計算を簡單化し,かつ理論段数,最適供給段,最小還流比の決定を容易ならしめた。この方法は,HarbertゃUnderwood, Murdochの從來の方法と結果に於て非常によく似ており,別段目新しい方法とはいえないが,特に3成分系の場合には図解法が可能になる。本文では,理論的な證明は一切省略し,本法の簡單な説明後,3成分系の例題によつて,實際の計算のやり方についてのべてある。