化学工学論文集
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ニッケル触媒によるメタノールからのメタン生成反応
井土 忠厚香村 利民後藤 繁雄
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1984 年 10 巻 1 号 p. 82-88

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抄録
ニッケル触媒によるメタノールからメタン生成の反応経路および速度を, 流通式管型反応器を使い, 200~400℃大気圧下で調べた.時間因子の小さい所では, メタノールの分解により一酸化炭素と水素が1対2の割合で生成した.時間因子が増加すると, 一酸化炭素の水素化によりメタンが生成し, その後, 一酸化炭素のシフト反応により二酸化炭素が生成した.
同一触媒上, 250℃で, 一酸化炭素および二酸化炭素の水素化と一酸化炭素のシフト反応の速度を測定した.一酸化炭素の水素化では, メタンと水が主生成物であるが, 二酸化炭素も副生成物として生成した.一酸化炭素のシフト反応では, 二酸化炭素と水素が生成したが, 二酸化炭素の生成速度は水素の増加とともに減少した.二酸化炭素の水素化では, メタン化のみが進行したが, この反応は一酸化炭素の存在により阻害された.各反応の速度式を使って求めた計算値は, メタノールからメタン生成の実測値と一致した.
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