1984 年 10 巻 1 号 p. 89-95
固液混合物の高度分離のために, 新しい型式のピストンを圧縮透過試験装置に用いて高圧搾圧力を発生させる一つの方法を繰返し荷重下で検討した.すなわち, ピストンの圧縮面に凹凸を設けて圧縮位置を間けつ的に変えつつ繰返し荷重をピストン上部へ作用させ, 原料と圧縮面との接触面積減少によって生ずる高圧力下で半固体状の上水汚泥を圧搾する.その結果を従来の定圧圧搾と比較して高度分離に及ぼす接触面積の減少効果を評価し, 圧搾速度・圧搾量が濃度0.56~0.65の半固体状原料においてかなり著しく増加することを認めた.また, 圧搾特性の著しい増加が主に荷重の繰返しと局所集中効果に依存し, 単なる荷重の繰返しには影響されないことを示した.