化学工学論文集
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担持酸化ニッケルの還元とその担体との相互作用
三宮 晃市村 浩一矢野 元威原納 淑郎
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1984 年 10 巻 2 号 p. 158-165

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抄録
非担持純NiOの還元を担持NiOの還元速度と比較の基準試料として研究した.その還元の誘導期はNi核の定速成長で支配される.この過程の活性化エネルギーは196.6 KJ/molである.これに続く還元過程は見掛活性化エネルギー55.6 kJ/molの未反応殻モデルの表面反応律速で表わされる.
α-Al2O3 (TAS-99253), γ-Al2O3 (ALO-4) やSiO2 (Acrosil 200) を担体として用いた担持NiOの還元速度は未反応NiOと水素圧の一次で表わされ, その活性化エネルギーEは還元率αと共に直線的に増加する.すなわちE=E0+gα, ここでE0は初期還元の活性化エネルギー, gは比例因子である.E0gの値を各種担体, 仮焼条件, 調整法を変え調整した触媒の還元速度の測定から, 同一調製条件で担体を変えた場合,
SiO2<α-Al2O3<γ-Al2O3
の順にgの値は大きく, また同じ担体では
含浸法<沈着法<共沈法
の順にgが大きいことを見出した.これらの序列は既往の担体とNiOとの相互作用序列とも一致することからgの値を担体-NiO間の相互作用の尺度としうることを明らかにした.
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