抄録
壁温一定で加熱された平行平板間の入口助走区間の層流熱伝達問題に対して, 解析解を試みた.本研究は, Karman-Pohlhausenの方法を採用したSparrowの積分法を更に発展させたものである.Sparrowの結果に対して精度の向上をはかるために, 速度と温度の各境界層内のそれぞれの分布形を4次式で近似した.境界層に関する形状係数σは速度境界層厚さεの多項式で仮定し, エネルギ式を未定係数法で解いた.数値解に対して修正した解析結果は, 数値解との間に0.6%以内の誤差にあった.この級数解は他の数値解に比してはるかに実用的であり, 本解析の局所ならびに平均の各ヌセルト数を他者の結果と比較検討した.