抄録
垂直平面上での並流気-液接触操作における気相側物質移動速度の推算に対して, 界面速度を考慮した層流境界層理論による数値解がどの程度適用できるかについて, 実験的に検討した.
すなわち, Air-MeOH, EtOH, IPAおよびCCl4系の4種の系の蒸発実験を, 断面正方形のダクト内に濡れ面となる垂直平板を設置した濡れ壁塔を用いて行い, 気-液界面近傍の気相中の速度分布, 拡散成分の濃度分布, 液膜表面の温度分布および気相側物質移動係数を測定した結果, 前二者は本数値解法による値とよく一致し, 修正Sh数も本数値解および城塚らの近似解とかなり良好な一致を示し, 本研究の実験範囲では上述の境界層理論による近似解が適用できることが分かった.