1984 年 10 巻 3 号 p. 280-286
単相流乱流伝熱促進の一方法として, 内部溝付粗面管とTwisted tapeを併用することを提案した.実験結果より伝熱促進体が次の条件を満足する時, 伝熱効率の顕著な増加が得られることがわかった.1) 内部溝付管の溝の回転方向とTwisted tapeのねじり方向は逆の方が良く, 溝とTwisted tapeが90°に近い角度で交叉する場合に効率が良くなる.2) 溝の相対粗度はある程度大きい方が望ましい.例えば管径に対する相対粗度が1.1%の場合よりも2.2%の方が伝熱促進効果が大きいことがわかった.
本研究における伝熱促進効果の最大の条件下では, 消費動力一定のもとで伝熱係数が平滑管の3.0~3.5倍となり, 同一ポンプ動力, 同一伝熱量の条件下での伝熱面積減少率が平滑管での伝熱面積の70~75%となることが明らかになった.