1984 年 10 巻 3 号 p. 287-293
トルエン中のベンジルアルコール (有機相) の次亜塩素酸ナトリウム水溶液 (水相) による酸化反応を2種の陰イオン交換樹脂 (固相) すなわち, ゲル型のDowex 1X8およびマクロポーラス型のAGMP-1を触媒とし, 回分反応器を用い, 303Kで行った.1次の逐次反応が水相および固相で進んだ.
いずれの樹脂においても, 粒径の増加とともに反応速度, 選択率は減少した.粒子内拡散抵抗を考慮した物質収支式を誘導し, 数値的に解いた.有効表面拡散係数は, 濃度の時間的変化の計算値を実測値に合せることによって求めた.マクロポーラス型樹脂の有効表面拡散係数はゲル型のそれの1.7倍となった.