1985 年 11 巻 4 号 p. 388-393
模擬燃焼排ガス中のSO2ガスを活性炭に吸着させ, それを不活性ガス中で加熱再生する操作を繰り返したときの活性炭のSO2吸着特性を調べた.
吸着と加熱再生を繰り返すことによって活性炭のSO2吸着性能は徐々に低下し, 細孔内には表面酸化物が蓄積する傾向にあることが明らかになった.また, 表面酸化物の蓄積に伴い水が吸着しやすくなること, 表面酸化物を熱分解脱離させることによってSO2吸着活性が高まることが明らかになった.
吸着・加熱再生繰り返しで生ずる活性炭のSO2吸着性能の低下する要因は, 表面酸化物の生成が重要な役割を果たし, それによる活性点の減少, さらには細孔表面が濡れやすくなり生成する硫酸が反応表面積を減少させることなどによるものと考察された.