担持ニッケル触媒の活性・選択性に与える担体の効果についてシクロペンタジエンの水素化反応をモデルとして検討した.
アルミナ(Neobead-C)はシリカ(Aerosil-200)に比べてNiとの相互作用の強い担体である.そのためNi/Al2O3触媒では, NiOの還元が困難となり, 水素の吸着力が弱くなる.
多重含浸法により調製したNi/Al2O3では, Ni担持率8wt%までは金属と担体との相互作用は強いが8wt%以上で相互作用は弱くなる.
シクロペンタジエンの水素化反応の比活性は, 8wt%以降急増し, それに伴ってシクロペンテンへの選択性は低下する.このことより, 担体との相互作用の強いNi粒子上のサイトは相互作用の弱いNi粒子上と比べて, 比活性は低いが逆に選択性がよいサイトであると考えられる.