1985 年 11 巻 4 号 p. 438-443
対数正規分布, 対数一様分布, Rosin-Rammler分布ならびにAndreasen(Gaudin-Schuhmann)分布をした多成分粒子ランダム充填層の空間率を実験ならびに電算機シミュレーションにより求めた.充填実験は2つの異なる方法すなわち棒突き充填とタッピング充填で行った.そしてガラスビーズ(球形粒子)とガラス破砕片(不規則形状粒子)を実験に用いた.実験ならびにシミュレーションから次のことがわかった.Andreasen分布についてはFuller指数が0.5~0.8の範囲に空間率の最小値が存在する.他の3つの分布については分布が広がるに従い空間率は減少した.空間率の実測値ならびにシミュレーション結果を, 著者らのモデル式による計算結果と比較したところ, 両者はほぼ一致した.本モデルは粒度分布のある多成分球形粒子ならびに不規則形状粒子ランダム充填層の空間率を推定する際に有用である.