1987 年 13 巻 3 号 p. 318-324
ハニカムモノリス反応器における気液間および固液間物質移動速度を測定するとともに, 本反応器の性能を固定化グルコースオキシダーゼによるグルコースの酸化において検討した.実験を行った液の低流量範囲においては, モノリス流路内の二相流は, 上向並流ではスラグ流となり, 下向並流のときは液環状流となる.このため, 上向並流操作は, 気液間ならびに固液間ともに, 下向並流操作のときより3~5倍高い物質移動速度を与えた.また, 固定化グルコースオキシダーゼによるグルコースの転化率も, 上向並流の方が下向並流のときより2~3倍高い値を示した.モデル計算の結果, これは, 下向並流操作では酸素の固液間物質移動支配となるが, 上向並流ではこの抵抗が低減されるためであることが確かめられた.