化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
半透過性PCMによる直接太陽熱蓄熱
一定入射条件下の屋内実験
西村 誠坂東 芳行倉石 迪夫Erich W. P. Hahne
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 13 巻 4 号 p. 435-441

詳細
抄録

半透過性PCM (相変化物質) 平板に直接太陽光をあて, 加熱融解するパッシブな太陽熱蓄熱システムに関して, 温度分布, 蓄熱効率に及ぼす光学的厚さの影響を検討した.PCMとしてパラフィンワックスを用い, 吸収係数を変化させるため黒色染料を添加した.PCMと保温層 (底背面断熱) とから成る試料平板について一定入射量の擬似太陽光の下で実験を行った.同時に, 総括比熱の概念に基づく理論解析を試みた.その結果, 本実験範囲では理論解析結果と実験結果はかなり良好な一致を示し, 理論解析の妥当性が確かめられた.また, PCMの光学的厚さの大きさによって温度分布, 蓄熱効率が大きく異なることが明らかになった.さらに, 光学的厚さが小さい場合, 内部融解 (back melting) となり, 蓄熱効率の面で有利であることがわかった.

著者関連情報
© (社)化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top