気泡塔における気泡流動状態から循環流動状態, あるいは循環流動状態から気泡流動状態への流動状態遷移現象を実験的に検討した.水道水-コンプレッサ空気系による実験から, ガス空塔速度を増減させたときの平均ガスホールドアップ値が示すことのあるヒステリシス現象はガス空塔速度の増減の速さと密接に関係していること, さらに高ガス流速の運転を続けると気泡が合一しやすくなり, また低ガス流速の連続運転では気泡が合-しにくくなることを見いだした.さらに, イオン交換水-コンプレッサ空気系, 水道水-N2ガス系, およびイオン交換水-N2ガス系の実験結果との比較検討を行い, 以下のような知見を得た.1.水道水はイオン交換水と比較して気泡の合一を阻止する性質を有する.2.コンプレッサ空気のミストが液側に混入することにより合一阻止性が弱められる.3.ガス流速を増減させたときに見られることのある平均ガスホールドアップのヒステリシス現象は, 液が最初に持っている合一阻止性とガス側不純物混入による合一阻止性の弱体化との総合的結果である.