化学工学論文集
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気相反応法により生成するニッケルおよびモリブデン微粉体の粒度
諸岡 成治小畑 敦生安武 剛池水 喜義加藤 康夫
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1987 年 13 巻 4 号 p. 481-486

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抄録

金属塩化物と水素との気相反応によりニッケルおよびモリブデンの微粉体を製造し, 粒子径に及ぼす反応温度や金属源濃度などの影響を調べた.粒子径は, 透過型電子顕微鏡写真, X線回折ピークの幅およびBET比表面積の測定により求めた.
ニッケルの粒子径は, 1050~1250Kでは温度の上昇とともに減少し, 1250K以上では温度とともに増加した.融点付近における実験によって得られた粒子径は, ブラウン運動により相互に衝突した粒子が瞬間的に融合すると仮定した凝集理論にほぼ一致した.また, 比較的低い温度でも粒子径がかなり小さいと粒子の融合が起こることがわかった.未反応塩化物の消失後は粒子の成長は極めて遅くなった.粒子径は水素濃度によっても影響を受け, 反応速度が速くなるほど粒径は小さくなった.

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