化学工学論文集
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炭化水素の液膜分離における液膜の安定性と透過速度
川崎 順二郎鈴木 孝典加藤 覚豊田 活近藤 伊知郎
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1987 年 13 巻 4 号 p. 487-493

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抄録

O/W/O乳化型液膜による2成分炭化水素混合物の回分分離実験を行った.炭化水素混合物としてはベンゼン-n-ヘキサン系, 抽出溶媒にはiso-オクタン, 液膜相にはグリセリンおよびサポニンの水溶液を用いた.透過成分は膜透過, 膜破壊および機械的取り込みにより移動するものとして, これら3機構による移動量を計算した.透過速度の大きいベンゼンについては膜破壊の影響は軽微であったが, 透過の遅いヘキサンについては, 膜破壊の影響は無視できず, これが分離の選択度低下の大きな要因となった.また, 操作時間が長くなり溶剤中のベンゼン濃度が大きくなる条件下においてはベンゼンの移動に対する取り込みの影響が非常に大きくなった.総括透過係数はベンゼンに対して3~7, ヘキサンに対して0.2~0.5g/ (m2・min) 程度であった.また, 分離の選択度は最大45を示した.

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