1987 年 13 巻 6 号 p. 818-824
ニッケルペレット内においてCOから炭素が析出する反応について, 773~1073Kの温度で実験を行った.固体試料はNiOペレットをH2還元したもので, これにCOを流して炭素の析出重量を測定した.炭素の初期析出速度は773~873Kに最大値があり, それ以上の温度では反応速度が低下した.また, 反応開始から10分間における平均の炭素析出速度はみかけ上CO濃度に関して, 773Kにおいてはほぼ0.7次, 1073Kにおいてはほぼ2次であった.
この反応に対して, ペレット内部におけるガス拡散をも考慮した反応モデルを作成した.Langmuir-Hinshelwood型の反応機構を仮定して求めた反応速度式を用いて, 数値計算したところ実測値を十分表現できることがわかった.