化学工学論文集
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液化ガス-ベンゼン-シクロヘキサン3成分系気液固平衡と新しい晶析分離プロセスへの応用
長浜 邦雄星野 大輔前田 光治伊藤 雅代
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1989 年 15 巻 3 号 p. 587-596

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抄録

共晶点を有する2成分系固液平衡に対する液化ガスの溶剤効果を調べる目的で, 原系に液化ガスを加えた3成分系気液固平衡の測定を行った.測定はセル中の混合物を冷却し, 温度および圧力と時間の関係から, 気液固平衡を決定した.
共晶2成分系にはベンゼン-シクロヘキサン系を選び, 溶剤にはプロパンとクロロジフルオロメタン (フロン22) を用いた.すなわち, プロパン-ベンゼン-シクロヘキサン系とフロン22-ベンゼン-シクロヘキサン系の気液固平衡を求めた.その結果, プロパンは原系の共晶組成をシクロヘキサン側に, フロン22はベンゼン側に移動させることがわかった.また, 活量係数式を用いて実験データを満足に相関することができた.
最後に, 本研究で明らかとなった液化ガスの共晶点の移動効果を利用した新しい連続晶析プロセスを提案した.そして, 2つの晶析槽と1つの気液分離槽からなるプロセスのシミュレーションによって, その実現の可能性が明らかになった.

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