化学工学論文集
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管状モザイク荷電膜の作製と性能
岩田 実藤本 輝雄
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1989 年 15 巻 3 号 p. 611-616

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抄録

著者らの合成したポリイソプレン (I), ポリスチレン (S), ポリブタジエン (B), ポリ (4ビニルベンジルジメチルアミン) (A) の4成分からなるISBAI型の5元ブロック共重合体を出発原料として, 内径2mmの管状に織ったポリエチレンメッシュをパッキング材とした管状モザイク荷電膜を, ディッピング法により作製した.本膜1本からなる有効長さ13cmのモジュールを作製し, 食塩-サッカロース系, 酢酸-サッカロース系の透析実験を行った.電解質である食塩, 酢酸の溶質流はいずれも2.3×10-4~5.2×10-4mol/m2・sであるのにたいし, サッカロースのそれは1.0×10-5~4.1×10-5mol/m2・sと1桁小さい値を示し, 極めて分離特性のよい管状モザイク荷電膜を作製することができた.また, 食塩の溶質流に及ぼす原液のモジュール内管内流速の影響を調べた.内管内径基準のレイノルズ数が2000以下では溶質流は流速に影響されることが分かった.

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