化学工学論文集
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セラミック膜モジュールを用いた気液二相クロスフロー濾過
今坂 卓男兼国 伸彦宗 浩之吉野 成
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1989 年 15 巻 3 号 p. 638-644

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抄録

エアリフトによる自然循環を利用した気液二相流動系のクロスフロー濾過の適用可能性を実用規模に相当する膜モジュール単位で検討した.実験には200本の細管状セラミック膜を並列に集束した膜モジュ-ル (膜面積1m2) を垂直に5段直結した装置を用いた.循環ポンプを用いた従来方式である液単相流動系のクロスフロー濾過との比較も行い, 次の知見を得た. : 1) 目視観察によれば, 膜モジュールの取付段数位置によって気液二相流の流れがわずかに異なっていたが, 透過流束に顕著な差異はなかった.2) 気液二相流動系のクロスフロー濾過においても液単相流動系と同じように, 透過流束は代表膜面流速に依存した.3) 単位透過水量当たりの所要動力を計算した結果, 気液二相流動系の運転方式は従来方式である液単相流動系のクロスフロー濾過と比較して省エネルギー的なプロセスであることが示された.

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