化学工学論文集
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流量が正弦関数的に変化する急拡大管内の流動状態
福井 啓介
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1990 年 16 巻 4 号 p. 844-846

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抄録

周期的非定常流は, エンジンの開発や血管内の血流などに関連して多くの研究がなされているが, 流れの非定常性および周期性に起因した特殊な流動場を形成することが多い.また, 主流に微少な撹乱を与えることにより伝熱促進が期待され, 工学的にも周期的非定常流の系統的な研究が必要と考えられる.
ピストンの往復運動による急拡大管の非定常層流流れは, エンジンのシリンダー内流れの最も単純化された場合としてDurstらが速度場を測定し数値計算結果と比較検討している.筆者らは, 同じ装置を用い周期的流動場において, 急拡大部に形成される剥離渦に及ぼす流れの周期性の影響を調べ, 周期性に基づく慣性力の重要性を指摘した.しかし, 急拡大管の周期的流動場に及ぼすレイノルズ数および周波数の影響に関する系統的な研究はなされておらず, 本研究では, 流量が正弦関数的に変化する周期的流動場の流動状態の分類および層流から乱流への遷移に関し, 流れの可視化実験に基づき, 考察する.

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